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「予約サイトでフルプロテクションに入ったのに、レンタカー会社のカウンターでまた保険を勧められた」「どちらに入ればいいのか分からないまま契約してしまった」という声はよくあります。「免責ゼロ」とうたわれていても、日本の保険用語とは言い回しが違い、どこまで補償されているのか実感が湧きにくいのも事実です。さらに「事故のときは先に自分で払って、後から返金してもらう」という仕組みを知らずに現地入りし、慌てるケースも見られます。Rentalcars.com(レンタルカーズドットコム)のフルプロテクションについて、加入前に整理しておきたいポイントをまとめます。
フルプロテクションはレンタカー会社の保険ではない、という構造を知る
まず押さえておきたいのは、フルプロテクションはRentalcars.com独自の保険ではなく、提携する外部の保険会社が発行する商品だという点です。発行元は地域や提携先によって異なり、公式の「補償に関する情報」ページで確認する仕組みになっています。つまり、現地のレンタカー会社にとっては「よそで加入された保険」であり、カウンターのスタッフがその内容を把握していないケースが珍しくありません。
このズレが、いわゆる「二重加入」を生みます。実際にイギリス湖水地方でAvisを利用した際、「フルプロテクションに加入済み」と伝えても追加保険やオプションを勧誘されたという報告があります。窓口でのやり取りは、おおよそ次のようにすれ違います。
- レンタカー会社「保険に入りますか?」(フルプロテクションのことは知らない)
- 客「入っています」(予約サイトのフルプロテクションのつもり)
- レンタカー会社「その保険は免責が数十万円ありますが大丈夫ですか?」(現地の自車両損害補償保険の免責の話)
- 客「それなら追加で入ります」(結果的に二重加入)
ここで話題に出てくる「自車両損害補償保険」は、日本でいう自賠責保険に近い、レンタカー契約時に必ず含まれる基本保険です。免責額(自己負担の上限額)が設定されており、事故が起きるとこの金額まで自分で支払う必要があります。フルプロテクションは、この免責部分を実質的にゼロにするための、いわば「任意保険」に相当する位置づけです。仕組みを理解していれば、カウンターで追加のオプションを断ってよい場面だと判断できます。
補償範囲と免責額、そして対象外になるものを具体的に見る
フルプロテクションの補償対象は幅広く設定されています。ボディーワークや屋根、車体下部、ウィンドウ、ミラー、鍵、ホイール、タイヤ、ハブキャップ、エンジン、クラッチ、バッテリーといった損傷のほか、車両修理中に貸し出せないことへの補填である「営業補償料」、故障や事故によるタクシー代や牽引(レッカー)費用、車内に鍵を閉じ込めた場合や鍵を紛失した際の費用まで含まれます。飛び石によるガラスの破損やパンク、それに伴う営業補償料なども対象になります。免責額はゼロに設定されており、対象となる損害であれば自己負担なしで済む仕組みです。実際にアイスランドでレンタカーを借りた事例では、通常の免責額が約30万円ある契約でも、フルプロテクション加入によって自己負担額がゼロになっています。補償上限額は契約する保険会社や地域によって数万ドル規模で設定されているため、契約時に確認しておくと安心です。
一方で、対象外になる項目もはっきりしています。レンタカー会社が承認していない修理やロードサイドアシスタンス、衝突以外の理由による車内の汚損や清掃費用、チャイルドシートやカーナビなどの追加装備品への損害、そしてスピード違反など法令違反による事故は補償されません。自分で勝手に修理を手配したり、車内で飲み物をこぼして汚したりした場合は対象外になる点は覚えておく必要があります。また、クレジットカードに付帯している保険で同じ内容がすでにカバーされている場合、まずそちらから請求する必要があり、フルプロテクションとの重複請求はできない決まりになっています。日本のクレジットカード付帯保険は対人・対物・車両損害のいずれも補償額が不足しがちなので、フルプロテクションとの守備範囲の違いを事前に整理しておくと、いざというときに迷いません。
請求から返金までの流れと、先払いが生むリスク
フルプロテクションでもう一つ理解しておきたいのが、支払いの順番です。事故や故障、ロードサービスの利用が発生した場合、まず自分でその場の費用を立て替えるか、レンタカー会社から請求された金額を支払います。そのうえで領収書などの書類をそろえてRentalcars.com側(実際の保険引き受け会社)に請求し、認められれば返金される仕組みです。ピックアップ前であれば無料でキャンセルできる柔軟さがある一方、事故対応そのものは「後払い方式」である点は見落とされがちです。
この「先払い・後日返金」の仕組みは、実際の旅先で負担になることがあります。オーストラリア西部で8日間レンタカーを借りた事例では、フルプロテクションに加入していたにもかかわらず、現地の保険にも追加加入したケースが報告されています。理由は、建て替えに必要な資金の確保と、返却時にトラブルなく車を返すためでした。クレジットカードの利用限度額によっては、事故対応の立て替えが難しくなる場合もあるため、渡航前に限度額を確認しておくことをおすすめします。
返金の速さについても、過信は禁物です。「書類に不備がなければ数日で返金」とうたわれていても、実際にはメールでのやり取りが1往復あたり1〜2日かかることがあり、スペインでの医療費請求の事例では、想定より対応に時間がかかったという報告があります。請求額が大きくなる場合は、事前に保険会社へ連絡しておくとスムーズに進みやすくなります。日本語対応も自動翻訳ベースになっている場合があるため、やり取りの行き違いが起きないよう、要点を簡潔に伝える工夫が必要です。
現地で保険に一切加入していないと、返却時にレンタカー会社側から不利な扱いを受けるリスクが指摘されています。フルプロテクションに入っているからといって、現地での説明や書面の確認を省略せず、契約内容をきちんと理解したうえで対応することが結局は一番の防御になります。
出発前に整理しておきたいこと
- フルプロテクションは予約サイト提携の外部保険であり、現地レンタカー会社の保険とは別物と理解しておく
- 補償対象・対象外の項目と免責額をあらかじめ確認し、クレジットカード付帯保険との重複がないか照合する
- 事故時は先払い・後日返金の流れになるため、建て替え用の資金とカード限度額を事前に確保しておく
現地カウンターで追加保険を勧められたとき、その場でどう答えるか迷った経験がある人は、次はその判断基準を具体的に確認してみると安心です。

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