「カジノ法案」が成立して、「さぁ、日本でもいよいよカジノだ」「IR(統合型リゾート)で町おこしだ」とはやる人々がいる一方で、「カジノ法案」が通るなんて治安が心配だ、日本はどうなる・・・と気をもむ反対派もいます。
- 「カジノ法案」のメリットとは何だったのか?
- IR(統合型リゾート)は日本に何をもたらすのか?
- 「カジノ法案」の真のメリットとは?
- カジノとIRはこれからどう発展していくのか?
現在、日本ではオンラインカジノが合法とみられていますが、いわゆる「カジノ法案」が大揉めに揉めた背景をまとめつつ、「カジノ法案」のメリットとデメリット、統合型リゾートの今後を考えてみたいと思います。
参考にさせていただいたのは「ラッキーチカ」オンラインカジノ情報ポータルです。
目次
カジノ法案(統合型リゾート(IR)整備推進法案)とは何だったのか?
一般に「カジノ法案」と呼ばれているのは、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」のことです。
これではあまりに長すぎるので「カジノ法案」と呼ばれているわけですが、法案の中にはカジノという言葉が含まれているわけではないにも関わらず「カジノ法案」と呼ばれたのは何故でしょう。
これは法案の「特定複合観光施設」のさすものが、カジノを含んでいるからです。
法案では第一章の第二条で以下のように定義されています。
ごらんのように、カジノ(賭博施設)を含まなければ普通の観光施設です。
ポイントは、そうした観光施設に従来禁止されていた賭博施設であるカジノを含むことだったため、「カジノ法案」と呼ばれてきたのですね。
統合型リゾート(IR)とは?日本に何をもたらすのか?
この「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」、いわゆる「カジノ法案」で論じられている「特定複合観光施設」がテレビなどでよく耳にする「統合型リゾートIntegrated Resort」で、IRと略されます。
「カジノ法案」の示すような統合型リゾートは世界各地に見られます。世界的に有名なモナコやラスベガス、アジアではマカオが有名ですね。
つまり、IR自体は特別なものではないのです。
「カジノ法案」というのは、モナコやラスベガス、マカオのような「カジノも出来る」大型観光施設を日本にも作って、観光客を呼び、景気を回復してもらいましょうよという法案だったのです。
「カジノ法案」のメリットとデメリット
さて、こうしてみてみると、推進派が「カジノ法案」のメリットとして挙げていたものが見えてきます。
観光客の誘致、景気の回復、外貨の獲得、といった経済面でのメリットです。
とりわけ、IRを招致して、停滞傾向にある地方の観光地を活性化しようという動きがあります。
外国人観光客をカジノに呼び込んで外貨を落としてもらいたいという経済対策の側面です。
これに対し、反対派がカジノ法案のデメリットとして挙げていたのが、風紀面の悪化です。
特に懸念されたのが、治安の悪化、マネーロンダリングの温床になる危険性、そして、ギャンブル依存症の増加です。
こうした懸念があったにもかかわらず、最終的に法案が可決した背景には、これらのデメリット対策が講じられたことと、デメリットを凌駕する新たな「カジノ法案」のメリットが注目されてきたことが挙げられます。
デメリットに対しては、「ギャンブル等依存症対策基本法」、「犯罪収益移転防止法」、「本人確認法」等、法制を整えながら、対策を進めています。
依存症に関しては、オンラインカジノ、カジノ・ギャンブルの情報サイト等でもライセンスの取得に際して対策が義務付けられようになっており、「責任あるギャンブル」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。
「カジノ法案」の真のメリット
最後に、直接的な景気回復とは別の側面から「カジノ法案」のメリットを見てみましょう。
・雇用促進
・非合法賭博の取締強化と安全な賭博の推奨
・依存症対策の推進
雇用促進に関してはこれまでも言われてきましたが、新型コロナウィルスの影響で景気が沈んでいる娯楽業界にとって、より大きな意味を持つようになっています。
IRが本格的に動き出せば、大々的な雇用の促進が期待できますので、本来的な意味での「カジノ法案」のメリットといえるでしょう。
一方、これまで注目されてこなかった非合法賭博の取締強化、それに伴う安全なギャンブルへの誘致は「カジノ法案」の真のメリットといえるのではないでしょうか。
「カジノ法案」が注目される中で、インカジと呼ばれる非合法のインターネットカジノで逮捕者が出たのは記憶に新しいところです。
現在、新型コロナの影響で日本でもヨーロッパやアジアのオンラインカジノが繁栄していますが、人気のカジノはどこもライセンスを明示しています。
娯楽・ギャンブル業界の明確な「反違法」姿勢は、「カジノ法案」のメリットの一つと言えるでしょう。
もう一つの懸念であった「依存症の増加」についても、サポート団体、自助団体が増えています。
ヨーロッパ発信のオンラインカジノでは「責任あるギャンブル」プログラムの一貫として自制モードや休止モードを設けたり、自身で入金額に制限をかけたりといった、様々な試みがなされています。
カジノとIRはこれからどう発展していくのか?
IR(統合型リゾート)に関しては、既に各自治体で動きが出ています。
活発な動きを見せているのは、長崎。
事業者公募に5事業者が参加、参加者全員が通過して、3月半ばに第一次審査の結果が出る模様です。
一方で、これまで有力と言われていた大阪は「IR実施方針」を修正、2020年代後半に「部分開業」を目指すという、慎重な姿勢を見せています。
IRがどこに出来るかは、「カジノ法案」のメリットが実際に機能するか、デメリットをおさえられるか、その行き先を決める大きな要因の一つです。
候補として名前があがっている各自治体の動きを見守っていきたいですね。
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