国際線グランドスタッフとして空港で以前勤務しており、日系、外資系含む10社以上航空会社のチェックインなどハンドリングを行なっておりました。
現在は旅行会社で日々航空券の予約を行う仕事をしており、予約から実際に空港で手続きを行い出発するまでの知識を一通り身につけてきました!
実際にチェックインを行う現場と、予約を行う現場どちらも経験した視点からパスポートに関する皆さまの疑問へのアドバイスをさせていただきたいと思います。
パスポートと飛行機の予約の関係
海外旅行ともなると、そこまで頻繁に行くものでは無いと思いますますし思わぬハプニングもつきもの。
パスポートに関するハプニングもたくさん目にしてきましたので、今回はパスポートに関するその他の知識も少し加えていきますので参考にしてみてください!
航空券の大前提を知っておこう!
予約氏名と、パスポートのローマ字表記の氏名が同じであるということが何より大事です。
予約をする側、チェックインをするグランドスタッフの目線からしたら実際には航空券を購入する際に、パスポートの番号というのはそこまで重要ではありません。
番号が航空券の購入後に変わったと言っても、実際には予約自体にはあまり影響が無いのです。
ではどこを注意しなくてはいけないかというと、「新しくとったパスポートの名前と、予約の氏名が同じであるか?」
こちらが重要になってきます!
例えば旧姓から新姓へ変更した際に、予約は旧姓でパスポートは新姓ということはよくありました。
あとは「ゆうき」という名前だったとして、「YUKl」か「YUUKI」で表されているか。
予約とパスポートで異なっていることも今までよく見かけました。
ローマ字でどう表すかは自分の自由ですが、大事なのはどちらも同じであるかということ。
まずはこの前提を知っておいてください。
パスポート番号はそこまで重要ではない
航空券を購入する際にパスポート番号も合わせて入力した経験よくあると思います。
だからこそ、予約後に更新をしたことで本当に搭乗できるのか不安になったりしますよね?
確かに行き先によっては、予約の際にパスポート情報も一緒に登録をしなくてはいけない国もあります。
しかし、空港でチェックインの際にパスポート情報は再度必ず入力していますよね?
グランドスタッフがパスポートを一つ一つ予約に入力している姿は一度は見たことがあるはず。
また、自動チェックイン機を使用した場合でも、パスポートの画面を読み取っているので必然と入力はされています。
空港では最新の情報を登録し、出国者の情報として管理をしていますので例え古いパスポート情報を事前に入力していたとしても、最終的には最新の情報に上書きされている訳です。
最も重要な予約とパスポートの氏名の一致をクリアしていれば、パスポート番号に予約と相違があっても心配はしなくて大丈夫です!
ビザは新しいパスポートで申請しましたか?
これまでパスポート番号は重要ではないとお話してきましたが、ここでは一点、パスポート番号が最も重要になるお話をさせていただきます。
ご存知の方も多いと思いますが、日本のパスポートはビザ無しで渡航ができる国数が世界で上位に入るパスポートです。
一定の条件を満たしていれば、ビザがなくても海外への渡航が可能です。
しかし日本のパスポートでも渡航の際に、ビザの申請が必要な国もあります。
長期滞在などはもちろん大使館での申請が必要ですが、短期間の観光などではインターネットから申請する電子ビザが主流となっています。
アメリカに渡航する際の「ESTA、オーストラリアの「ETAS」、その他にも現在はカナダやニュージーランドなどは渡航の前にこの電子ビザの申請が必要です。
手順としてはパスポート情報などを入力し申請することで、数日で渡航の許可が得られるというものになっています。
ここでパスポート番号というのが重要になるのです!
先ほども説明しましたが申請の際は、パスポート情報を入手します。
そのため申請の際と同じパスポートを持って出国しなくてはいけないのです。
チェックインの際には必ず電子ビザが必要な国に関しては、申請をしているかシステムから確認を行っています。
その際にパスポート情報が違えば、自ずとビザが取得されていないというレスポンスが返ってくるわけです。
例え前のパスポートと氏名に変わりがなくても、パスポート番号というのは必ず変わりますよね。
新しいパスポート番号での電子ビザの申請がなければ、申請してないことと同じです。
電子ビザは「ETAS」だと1年、「ESTA」だと2年有効ですので、まだ有効期限があるからとパスポートが新しくなってもビザの申請をしていない方はよく見かけました。
「電子ビザはパスポート情報で管理されている。」
もしパスポートを更新した際は航空券よりもビザの確認をまずすることをおすすめします!
最終判断は航空会社
これを言ってしまえば、なんだか逃げ道のようになるかも知れませんが最終的な判断は航空会社であり、現場のスタッフに委ねられているというのが実際のところです。
例えば先ほどの「YUKl」と「YUUKI」問題。
私が担当していた某外資系の航空会社の場合は、このような母音が伸びる音の名前は許容範囲として変更はせずチェックインを行うこともありました。(復路で海外でのチェックインの際に、職員に問われる可能性もあるため自分で説明できることが条件でしたが。)
また、旧姓と新姓の問題。
先ほども予約とパスポートの名前が新姓と旧姓で違うという話をしましたが最近だと、パスポートに( )書きで旧姓を併記することが可能になったという話を聞きます。
( )で旧姓記載があるから、予約の名前が例え新姓でもわざわざ予約の氏名を変更せずチェックインを受けたことも某日系の航空会社でありました。
しかし( )に併記された氏名は、パスポートを読み取るバーコード(顔写真のページ)で読み取った際には読み取られません。
そのため、航空会社によっては併記されていても氏名の変更を求めることもあります。
ここまでお話したように、航空会社によって対応は様々です。
今回のようにパスポートの更新を行って、不安な点があれば搭乗予定の航空会社に問い合わせをするのが最も良いです。
私もこれまで10社以上、日系と外資系の航空会社のハンドリングを行ってきましたが、対応はその航空会社によって様々でした。
チェックインの経験、旅行会社での経験をもとに皆さまが安心できるような情報をお話しましたが、一番は自分で確認するということが大切です。
ぜひ楽しい旅行をご自身で作り上げてみてください。
コメント
とても細かい丁寧なご説明ありがとうございます。とても参考になりました。